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「ジキル博士とハイド氏」抄

18××年、ロンドン。医学博士として高い地位にあり、社交的で人望の厚いヘンリー・ジキル博士。弁護士のアッタスンは、「自分の死後は全財産を友人かつ恩人のエドワード・ハイド氏に譲渡することは勿論、自分が行方不明、または3カ月以上の無断不在の際にも遅滞なく前記のハイド氏に全財産を譲渡すること」という内容の遺言書を、そのジキル博士から受け取る。

見る人に嫌悪を催させずにはおかない醜貌の持ち主、好んで悪事を働き殺人まで犯したハイド氏と、ジキル博士の接点は何なのか。アッタスンは不可解な行動を取るジキル博士の身辺を調べ始める。

ジキルの部屋には、どうやらハイドが住みついているらしい。姿を見せないジキル博士を案じて、アッタスンは召し使いとともに博士の部屋に突入する。だが、そこで彼らが見たのは、薬をあおいて自殺したとおぼしいハイド氏の死骸だけで、博士の姿はない。はたしてジキル博士はどこに・・・。

ジキルは、「ヘンリー・ジキル博士の死亡、または行方不明の際まで開封せざること」と記した手紙を友人に残していた。信じがたい事実が、その手紙から明らかになる。

誰もが持つ人間の「善と悪」の二面性。ジキル博士は薬によって「善」のジキルと「悪」のハイドという全く異なる2つの人格を、一人の人間の中で完全に分離することに成功するが、次第にハイドの人格から戻れなくなる。嬉々としてロンドンの闇を徘徊するハイドと、ハイドの邪悪な人格に征服されることを恐れるジキル。そして破局が・・・。


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